ビロードのうさぎ
本屋さんでたまたまうさぎの絵の表紙が
目にとまって手にとってみた絵本。
読んで じんわり涙がにじんできて
そのまま買って帰った。
ぼうやに愛されたおもちゃのうさぎが
最後に「ほんもの」になる、というお話。
せつなくて やさしくて とてもいとおしい。
- 作者: マージェリィ・W.ビアンコ,酒井駒子
- 出版社/メーカー: ブロンズ新社
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: ハードカバー
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ノスタルジックな絵も素敵。
うさぎの表情や子どもらしいしぐさ。
うさぎがぼうやを、ぼうやがうさぎを
大切にしていることが伝わってくる。
私はぬいぐるみを捨てられないのだけど、
その理由を思い出した。
姉が小学1年生のときの担任の先生のことばだ。
その先生は、毎日生徒の日記にコメントを書く
まめでとてもいい先生で。
「今日は雨がふったので、家の中で妹といっしょに
犬とぬいぐるみたちとあそびました。たのしかったです。」
といったことを姉が書いたある日の日記に
先生はこうコメントした。
「ぬいぐるみもどうぶつとおなじです。
ずっとかわいがってあげましょうね。」
そのことばは姉に日記を見せてもらった私の
心の中にもすっと入って、今でも残っている。
きっと。
先生は、単に「物を大切に」ということを
いいたかったのではなくて、
大切に思う心を大切にしてほしいと
願ってのことばだったのだろう。
だからこそ その先生と直接関わったことのない
私の心にまで響いたのだと思う。