私の中のあなた

試写会で観た。


白血病の姉のドナーとして
遺伝子操作によって生まれた妹が、
腎臓移植を拒んで両親を訴えるという筋。


命の尊厳や家族のありかたという
非常に重いテーマを扱っているけど、
重たくなりすぎずに爽やかな印象。


ニック・カサヴェテス監督自身
心臓病の子を抱えているそうで、
難病の子を抱える家族の苦悩や葛藤の描写は
厚みがあって、観ながらそれぞれの立場に立って
いろいろ考えさせられた。


みんなが自分のこと以上に家族のことを思っていて、
家族の愛とその絆の強さに胸を打たれた。
前半は軽やかでユーモアもある。
中盤からは切なくて、あちらこちらで
鼻をかむ音が聞こえた。



ブコメのイメージのあるキャメロン・ディアス
病気の子を最優先する母親役を違和感なく演じていたし、
リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリン
妹役もよかったけれど、姉役のソフィア・ヴァジリーヴァが
素晴らしかった。
判事も弁護士も主治医もみな温かみのある役で、
味わい深い演技だった。


切なくも、とても温かな良い作品。