彼女について

いしいしんじさんが、いつどこで読んでいるかなんて
関係なくなってしまうと話していた本を一気に読んだ。
絶賛するわけがわかった。


一つ一つの丁寧な描写を積み重ねて、
あたたかで 揺るぎなくて やさしくて
穏やかな光の射し込む
ふんわりと柔らかな感触の空気に包まれた
世界を創り出している。


愛情に包まれている温もりと安らぎを
こんなにもリアルに感じさせる小説があるなんて。
ばななさんの最高傑作じゃないかと思う。


愛された記憶や、日常の中の何気ないしあわせ。
それらの積み重ねが 生きていく土台、
この世は生きるに値すると思う力になっているんだ。
生まれてから今までに私が受け取ってこられた
たくさんの愛情に感謝した。


悲しい出来事や切ない気持ちも描きながら、
とてもしあわせでさわやかな後味。



彼女について

彼女について