ストロベリーショートケイクス

4人の女性。
全然身近な設定じゃないのに、伝わってくる感情は、
ものすごくリアル。
生々しい描写が多くて、はじめのうちはちょっと戸惑ったけれど、
そういう描写があるからこそ、痛みも生々しく伝わってくる。
かさぶたができる前のヒリヒリするような痛みだったり。
心臓をぎゅっとつかまれるような痛みだったり。


弱さを人に見せるのが苦手な不器用さだったり。
好きになった人の不幸を願ったりなんてしたくなかったり。
好きな人の感触を上書きされたくない気持ちだったり。
言ったことのあることば。
言われたことのあることば。
あぁ、それ、すごくすごくわかる、って思うことがいっぱい。
何度かぐわっときて涙した。


一番感情移入したのは、秋代。
描かれていない部分も想像がついてしまうくらい。
わかりすぎるほどわかってしまう部分が、あるような気がした。


たくさん痛みを感じたのに、後味はよくて。
途中まであまり好きになれなかったちひろも含めて、
最後には4人ともなんだかいとおしく思えた。
生きていくのはなかなか大変で、
時にはつまづいたり、うずくまったりしても。
ささやかなきっかけで立ち上がれたりする。
だから何とかやっていけそう、という気にさせてくれる。


とてもいい映画だった。