感無量

mere2008-11-16

昨春以来で再会した友達は、
鮮やかな朱赤の色打掛を身にまとって 私の姿を見つけると、
私の名前をつぶやいて 目に涙を浮かべた。
こくん と うなずいて笑うと、
彼女も同じようにうなずいて笑顔を見せた。
通じ合うのに会話は要らなかった。


式の間、雨は降らずにいてくれた。
涙腺の決壊も免れられた。
振袖を着ていたから 何十人もの
外国人観光客に話しかけられ、褒められ、
写真を撮られて、感慨にふける暇がなかったおかげ。



披露宴は、和の伝統と国際色とあたたかみにあふれた
新郎新婦らしい素敵な宴だった。


私のつたないスピーチもなんとかなったし、
新郎の彼女に対するくびったけぶりもほほえましかった。


スライドショーで紹介されたアメリカでの二人の写真は、
どれも自然に寄り添い合ったり、手をつないでいたり。
二人の雰囲気はとてもしっくりきていて、
彼女はしかるべき相手を選んだんだと感じられた。


美しくて聡明で快活で思いやりのある伴侶、という新郎の言葉にも
非の打ち所のない女性、という恩師の言葉にも
どこにも社交辞令や言い過ぎはなくて、
まさにそのとおりだと思った。
本当にすばらしい人。


彼女と出会えて友達になれたことも、
今日という日を一緒に過ごせたことも。
しあわせと感謝で、胸がいっぱい。