終わり

今年は「終わり」の多い年だった。
気に入っていたお店が閉店したり、雑誌が休刊したり。
その時はすごくさみしい気持ちになったし、
実際に不便になったりもしたけれど
今は不思議と悲嘆にくれる気持ちにはならない。


12年てひとつのサイクルなのじゃないかと
感じたことが、今年あった。


夏の終盤、いやに心が疲れている時期があって。
無意識のうちにためこんでいた長年の疲れに
気がついてしまって、どっと疲れを感じた。
具体的に何がどうということもないのに
自分の中で何かが終わりそうな感じがして、
なんだか不安で落ち着かない気持ちになった。


ふと、おなじようなことが前にもあったなーと
思い返してみると、それは12年前のちょうど同じ時期だった。
なんとなく、その頃に一度訪ねたきりの砂丘
行こうと思って、行った。
ひとつのサイクルが終わりを迎えて、新しいサイクルに入る
準備をしたかったのかもしれない。
ただなんとなく行った方がいいような気がしたし、
そこで何かが起こったわけでもないけれど、
やっぱり行ってよかった気がする。


終わりは新しい始まりにつながっている。
今は、そう感じている。



12年前。
男の人は、浅はかで、愚かで、弱くて、ずるい。
だから苦手、と思っていた。
今は、だから、男の人はかわいいのだと思う。
ずいぶん変われたものだ。


これからの12年で何を積み重ねていけるのだろう。
舞台の幕が上がる前みたいに、わくわくした気持ち。