反省文

「あなたはいつもときめいていたいんだね」
人に言ったことはあっても、春に占い師に
言われたときには自覚していなかったことば。
このごろようやく納得がいった。


自分の内側にときめきの源泉を見つけられなくなって、
そのことがとてもとてもつまらなくて、しかたがなかった。
この退屈がずっと続いたら、と思うと耐え難くなった。
いつもの瞳のかがやきがないね、と言われたくらいだから
ずいぶん冴えない表情をしていたんだろう。
私にとっては、悲しいとか苦しいとかの方が、
心が動く分だけ、つまらないのよりよっぽどましなのだ。


いてもたってもいられなくて自分の外にときめきを求めた。
新しいものをたくさんとりこんで、
たのしい気持ちを取り戻せたけれど、
そのために脱線気味な日々を過ごしてしまった。


ずっと自分で禁じていた気分転換を、
ときめきほしさについ許してしまった。
仕事をすること。


もともと働くことが好き。
タイトなスケジュールとマルチタスクの状況で、
優先順位をつけて仕事をまわす過程も楽しい。
未経験の分野もおもしろい。
わからないことだらけなのも謎解きみたいで楽しい。
オフィスの活気やチームワーク。
久しぶりに英語を使うのも新鮮。


あたらしいものをすごく必要とする気持ちと、
危機的な状況を切り抜けるためにと、
能力を買われて白羽の矢を立てられたこともあって
流れに入ってしまった。
いまやすっかり頼りにされきって、
ずっと一緒に仕事したいと言われるありさま。



でも、そろそろ自分の流れに戻ろう。
仕事では手を抜けないから、時間も労力もとられすぎる。
息抜きが多めに必要な身とはいえ、
働くことのたのしさにこれ以上ひっぱられてはなるまい。
目先のときめきにまどわされて、
本筋を見失っていちゃいけない。


決断を下すのも、その結果を引き取るのも
いつだって自分自身なのだ。