ライヴ・イン・ロンドン BBCレコーディングス72~73

Judee Sillのライブ盤。
ライブ盤はあまりくりかえし
聴く気になれないことが多いのに、
これはとりつかれたかのように聴いてしまう。


MCやインタビューから、彼女の孤独、
経済苦、困難、悲運の人生の片鱗を
窺い知ることができる。
おどおどした感じもする生身の人間像。
けれど、ひとたび演奏がはじまると
そういう要素をみじんも感じさせない。
すさまじい集中力で、なにか完全な、
完成された世界が築かれる。


ギター一本、ピアノ一本と声だけで十分。
曲のスケール感をそこなうことなく、
かえって本質を際立たせているような。


"Jesus Was A Cross Maker" "The Kiss"
" The Donor"は、何度聴いても鳥肌が立つ。


音質もいい。
息づかいや咳ばらいまで聴こえて、
自分が生まれるより前のライブとは思えない。